さぬき市寒川町の彫刻・木像・を紹介します

Last Update 2017/8/2

橋方馬頭観音立像 さぬき市指定彫刻

橋方馬頭観音立像 さぬき市指定彫刻

馬頭観音は菩薩(仏になるための修行をしている人の中で、最も仏に近い立場にいる人)で、体の色は赤く、忿怒相(怒った形相)をし、頭上に馬の頭を置くのが特徴である。

馬頭観音信仰は、今から約1200年前の平安時代から盛んになっていたと言われているが、その馬頭観音というのは、( 一般の人々の願いを聞いて、その願いを叶えてあげようと努力している菩薩)が人々の願いを最も叶えやすい形に変身した形の一つである。

「儀軌」と呼ばれる経典には、馬頭観音の姿は三面二臂、三面八臂など各種あることが説かれているが、橋方庵に安置されている本像は三面六臂である。

寄木造り彫眼で本面は三目開口、両脇面は三目閉口で腰のあたりの裳の彫もなかなか力強く、上半身も六臂がバランスよく空間を占めているが、面相部特に眼と鼻のあたりの彫りにやや鋭さが欠けるあたりが、地方の作と考えられる。

像高百四㌢、造像は衣丈の彫りなどから、おそらく鎌倉時代終わり頃のものではないかと考えられている。