高松市鶴尾神社4号墳と並んで香川で最古の前方後円墳です。古墳は自然地形を削って前方後円墳の形にしており、土を盛った形跡は見られません。
後円部が尾根の先の方になります。後円部の形は正円ではなく、いびつな楕円形で香川の古い古墳の特徴が表れています。王の眠る埋葬施設は後円部頂に2基の竪穴式石室があります。東西に向く香川の特徴が見られます。
前方部は前面に溝を入れて自然地形から切り離しています。形は前面にむかって広がる『バチ型』と呼ばれるものです。
古墳には列石が使用されています。発掘調査で確認されたのは、前方部前面、前方部北東、後円部東、後円部南側です。中でも前方部前面は2列に石積が構築されています。
前方部前面から広口壷が出土。埋葬施設からは、第1石室からガラス玉8、管玉3、鉄斧1、鉄鏃3。第2石室からは画文帯環状乳神獣鏡が出土しています。
丸井古墳墳丘測量図と広口壷
2基の竪穴石室は南側が全長5.45m、北側が4.15mで1m少し南側の方が大きく造られています。両石室とも石材には花崗岩の河原石が使われており、割石の使用された津田町の竜王山古墳とは大きく異なります。床は粘土が敷かれており、上面は凹んでいます。ここから底の丸い木棺が安置されていたことがわかります。木棺の形に合わせて粘土を床として敷いたため、木棺が腐って粘土だけが残ったのです。この粘土を粘土床といいます。 両石室からは古墳の外に向って排水の溝が延びています。
第1石室