湾からみた古墳想像図

古墳とは? 古墳の知識

さぬき市歴史民俗資料館 Last update 2023.01.28

弥生時代終末3世紀半ば突如前方後円墳、箸墓古墳が登場した。これをもって古墳時代の始まりといわれている。この時代(1700〜1300年前)の人のお墓を特に古墳といいます。

古墳は石を積み上げたり、山を削ったり、土を盛り上げたりして墳丘にしており、内部には鏡や刀などが納められています。 地域を治めていた王や、力のあった人のお墓と言えます。

さぬき市の古墳の形の種類

前方後円墳

前方後円墳イラスト

 

円形と方形が組み合わさった形。空から見るとしゃもじの形に見える。岩手県から鹿児島県まで各地の首長のお墓に見られ、円墳、方墳よりも大型の場合が多い。

  • (大川町)古枝古墳・富田茶臼山古墳
  • (津田町)岩崎山4号墳・けぼ山古墳
  • (寒川町)奥3号墳
  • (長尾町)丸井古墳

円墳

円墳イラスト

 

古墳時代を通じて見られる形。さぬき市内の古墳のほとんどは円墳である。

  • (大川町)富田神社古墳・大井七つ塚古墳群
  • (津田町)一つ山古墳・龍王山古墳
  • (長尾町)観音院古墳・諏訪山古墳

方墳

方墳イラスト

平面が方形の古墳。古墳時代の終わり頃に大王墓に採用される。さぬき市内には事例が少ない。

  • (大川町)富田茶臼山古墳陪塚群
  • (長尾町)亀島8号墳

墳丘なし

墳丘なしイラス

 

山の尾根などの自然の地形に埋葬施設だけをつくったもの。出土遺物が少なく、時代の不明なものが多い。

  • (大川町)大井西遺跡
  • (津田町)岩崎山5号墳
  • (寒川町)寺尾6号墳・奥寺石棺群

埋葬施設

竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)

竪穴式石室イラスト

 

古墳の頂部に縦に穴を掘り、石を石垣状に積んだ埋葬施設。前方後円墳など首長墓の埋葬施設に多く見られる。古墳時代前期から中期に多い。

  • (大川町)古枝古墳・大井七つ塚4号墳
  • (津田町)龍王山古墳
  • (寒川町)奥3号墳・奥14号墳
  • (長尾町)丸井古墳・川上古墳

箱式石棺(はこしきせっかん)

箱式石棺イラスト

縦に穴を掘り、板状の石を並べて造った埋葬施設。竪穴式石室を簡略したもので、円墳や墳丘を持たないものなど、竪穴式石室に比べてランクが劣る場合が多い。

  • (大川町)北地古墳
  • (津田町)岩崎山1号墳・野牛古墳
  • (寒川町)寺尾6号墳
  • (志度町)成山古墳

土壙・粘土槨(どこう・ねんどかく)

土壙・粘土槨(どこう・ねんどかく)イラスト

縦に掘られた穴のみで、石室をつくらないもの。直接、木棺や埋葬者を安置する。底場や周囲を粘土で固めたものを粘土槨という。また、蓋だけ石を使用したものを石蓋土壙(いしぶたどこう)という。

  • (大川町)古枝古墳・古枝西遺跡・黒岩古墳
  • (津田町)赤山古墳
  • (寒川町)奥2号墳

横穴式石室

横穴式石室イラスト

洞窟状に入り口が横にある石室。複数の人が埋葬できるようになっており、家族墓の性格を持つ。さぬき市では古墳時代後期の6世紀後半から7世紀の事例が多い。

  • (大川町)八剣古墳・平砕古墳
  • (寒川町)中尾古墳・蓑神塚古墳
  • (長尾町)大石北谷古墳・緑ヶ丘2号墳

古墳のある場所

山の上

山の上の古墳イラスト

 

山の尾根上や山頂にあり、麓の集落や交通の要所からよく見える場所が選ばれている。また、山の上からも麓の集落がよく見える。古墳時代前期の古墳に多い傾向がある。

  • (大川町)川東古墳・古枝古墳
  • (津田町)龍王山古墳
  • (寒川町)奥3号墳
  • (長尾町)丸井古墳
  • (志度町)坂子古墳

平野

平野にある古墳のイラスト

低い場所に造られたもの。交通の要所が選ばれる場合が多い。古墳時代中期の古墳に多い傾向がある。

  • (大川町)富田茶臼山古墳
  • (長尾町)若宮古墳

山麓(やますそ)

山麓(やますそ)にある古墳のイラスト

 

山の裾や斜面に造られたもの。古墳時代後期の横穴式石室をもつ円墳に事例が多い。群集墳といい、複数の古墳が集中分布するのが一般的である。

  • (大川町)一の瀬古墳・平砕古墳
  • (寒川町)蓑神塚古墳
  • (長尾町)緑ヶ丘2号墳・大石北谷古墳・椋の木古墳

古墳の名前の由来

古墳のある地名にちなむ

  • 乙井古墳(長尾町乙井)
  • 緑ヶ丘古墳(長尾町緑ヶ丘)
  • 古枝古墳(大川町古枝)

古墳のある山の名前から

  • 天王山古墳(寒川町)
  • 将基山古墳(長尾町)
  • 龍王山古墳(津田町)

古墳の色からついた名前もあります。

赤いやまのイラスト

赤山古墳(津田町)  埋葬施設に朱(赤色)がぬられていたから、古墳の土が赤かった。

古墳からの出土物から命名

剣のイラスト

八剣古墳(大川町)  かって古墳から剣が出てきたから。

古墳の形から命名

土釜のイラスト

土釜古墳(大川町)  盗掘にあった跡が土釜のようだったから。

特に前方後円墳は茶臼山・車塚・双子塚と呼ばれることが多いです。

車塚のイラスト

車塚(志度町)

双子塚古墳のイラスト

双子塚古墳(長尾町)

茶臼のイラスト

富田茶臼山古墳(大川町)・茶臼山古墳(志度町)

遺跡・古墳からの出土物の変化

遺跡・古墳からの出土物の変化の表